2007年1月6,7日とテレビ朝日系で「白虎隊」が放映された。
1986年に日本テレビ系で放映された「白虎隊」は、リアルでは見損なっていたのでビデオを見つけ借りてきた。が、「白虎隊」と言うより「会津戦争」とか「戊辰戦争」とタイトルした方がいい様な内容で、全部観たら288分と長いのだが、1時間半程度観ても本編に入らず、前置きが長過ぎて観るのがめんどくさくなってしまった。でも今回の「白虎隊」は今の時代には理解し辛い部分を逆に活かして、さりげなくメッセージを添えている感じで良かった。主人公の酒井峰治は実在していて、その手記が基になっているらしい。
内容は時間の関係で簡略化したかなって思う所はあったけど、かなり解り易く忠実に描かれてた様に感じる。最近では見ないほど血飛沫は凄くて「いいのか?」って思えたけど、それが唯一戦争の悲惨さを示してた感じだった。実際はもっと悲惨だったけど、さすがにそこまで出来ないだろうしね。でも部外者としてはナレーション位あっても良かったんじゃなかろうかって気がした。戦争はやっぱり悲惨で一寸でも美化しちゃいけないからね。当事者地域の人達の余計な摩擦を考えるとなくていいとは思うけど。
白虎隊を現代で伝えるのは難しいんじゃなかろうか。一歩間違うとただの時代錯誤だものなぁ。それでは可哀相過ぎる。私は小学生の頃に白虎隊を知った時、かなりショックだった。今の人はどうなんだろうか。フィクション映画を観る様な感覚でしかないのではないだろうか。でも事実なんだよねぇ。しかも戦国時代とかの大昔ではなく140年前の話。ギリギリでも今生きてる人はいないけど、祖父母・曾祖父母の辺りはいるからね。ドラマ中でも「曾祖父の話」だし。名家の末裔でなくても名前まで判るご先祖様なのだ。なのにとても時代の変化を感じる。忘れてはいけない部分も沢山ある。余談だけど「お陰様で」と言う言葉は日本独特の言葉らしい。私一人の力では成し得ない、周りの助けがあってこそ私の努力は活き実りましたと言う他者への感謝の言葉。この気持ちは時代が変わっても失いたくない。
ドラマの最後に子孫の酒井新太郎が「何時まで続くか判りませんが」と言いつつ、無視していた近隣の人達に挨拶をしたり、嫌がっていたパンの朝食を「食べられるだけでも幸せです」と摂るシーンがあった。続かなくてもいい。一度でも心に刻まれれば忘れる事はない。私もそうだった。同世代の子達がそんな風に観てくれたらいいと心から思った。
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