歴史作家の対談
 たまたま手に入れた潮出版社の「潮」の表紙に「新撰組」の文字が・・・。早速読んでみた。歴史作家としては有名な浅田次郎氏井沢元彦氏北方謙三氏高橋克彦氏、脚本家の内館牧子さんの新選組に関する対談だった。 読んだ感想はちょっと複雑。浅田次郎さんの「個々のキャラクターが実に個性的」と言うのが私の気持ちに最も近かった。思想の濃い種類の本に「新選組は思想のない団体」と言われてもなぁって感じ。何が魅力で本書いていらっしゃるのかよく判らない方もいらしたりして。まぁ確かに時勢を変えるほどの力はなかったと思うし、守るべき存在が、本当に守らねばいけない存在だったのかと言う気はする。会津と一緒でただただ幕府への忠義の為に滅びてしまった。それを考えると勝海舟はもともと幕府側に居ながら、無血開城をやり遂げ、旧幕と官軍の双方をまとめた凄腕だったんだなと驚いてしまう。新選組は余りに平凡と言えば平凡。でもだからこそ身分の差なく隊を結成しようとしたのではないだろうか。そこが私にとっては魅力の一つでもある。会津は何処まで行っても身分にこだわった。薩長はこだわらなかったけど我は強かった。新選組は身分の違いにこだわらない事にこだわった。そこが一番好きだったりする。思想はそこにある様な気がする。薩長の様に日本を変えると言うよりは、的が絞られた思想と言えるのかもしれない。こう考えると官軍はアメリカ的発想で、旧幕軍は典型的ニッポン…って感じがしなくもない。 ・・・と言いつつ、新選組を考える時、あんまり小難しい事を考えたくない気もしている。それが思想のなさと言われる由縁かもしれないと思ってみたりする。
2007/01/16
目次 / 前頁  /  次頁  / 戻る /  TOP