「僕のヒーロー」感想
「僕のヒーロー」は堀越耕平先生の作品で、「僕のヒーローアカデミア」の基になった作品です。
なかなか書きそびれていた感想をやっとまとめます。
「赤マルジャンプ」2008年 掲載。「逢魔ヶ刻動物園」5巻に収録されている作品です。
虚弱体質のサラリーマン主人公・緑谷弱(ジャック)が、弱い身体でもヒーローになれる事を示した作品です。
短編ながらとても内容の濃い作品で、堀越先生が「少年誌なのにサラリーマンの主人公にしてしまった」という様な事を仰っていましたが、内容自体は少年誌でも問題ない気はしますが、青年誌でも良さそうな内容です。
この作品を読んでいると、ヒロアカの考察が拡がる気がします。
堀越先生のヒーロー観の原点みたいなものを感じます。身体が力が強いとか、人より秀でた物があるとかないとか、そう言う観点ではなく、心の在り方がヒーローかどうかと言う事に絞られていると思います。
ステインの言葉に集約されてるのかもしれないですね。この作品の主人公はとにかくひ弱なので、相手を倒す前に貧血で倒れてしまうほど、ヒーローには不向きな身体ですが、結果的には自分の憧れのヒーローを守りますし、自分の会社も守ります。それも戦って守ってる訳ではないのがミソです。
ジャックの風貌は正直ちょっと怖いです。昔観たウッチャンの命かげろうみたいです(古っ)。直ぐに貧血で倒れるし、ヨレヨレの半病人みたい。ヒロアカには出て来ない画風なので違和感強かったです。他のキャラは今と余り変わらないんですけどね。なので外見上ジャックとデクが似てると思えるのは、ボサボサの髪だけじゃないでしょうか。
ヒロアカとの共通点に、ジャックが子供の頃に、憧れのヒーロー・ポジティに送った手紙の一節が、デクがオールマイトに言った言葉と同じです。
「ぼくもあなたみたいなヒーローになれますか?」
それからプロヒーローのスナイプが捕まってる姿を観て、弱くて心配して止める社長に対し「人が困ってる」と言って助けに向かっていく所も、デクの「困っている人を救けたい」と同じ。
この辺の件を観ていると、ヒロアカの今後の展開も視える様な気がするのです。
勿論この作品の内容はヒロアカに比べるまでも無く、短編のシンプルな作りですが、根幹の共通部分を照らし合わせると堀越先生の趣向が感じられ、ヒロアカの今後の展開と重ね合わせて考察すると面白いかもと思うのです。
30分もかからずに読めてしまえる作品ですが、シンプルなのに中身は濃くて、私は好きです。
ちょっとキモい主人公ですけど、こんなサラリーマンと知り合えたら元気貰えそうです♪
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