モブサイコ マンガとアニメの話
ちょっと前の話になりますが、裏サンデーで掲載されていたONE作原「モブサイコ100」のアニメ版第3期が決定したそうです。
ワンパンマンで有名なONE原作の「モブサイコ100」は、えげつない能力の持ち主と言う点では、ワンパンマンの方向性を違えただけの超人物です。でもこの爽快感は小気味よくて良いです。
ONE先生の作品は、「ワンパンマン」と「モブサイコ」と「魔界のオッサン」しか知りませんが、いずれも主人公は物凄い力を持ちながら、淡々と自分のやる事をやる地味なキャラです。モブサイコには仲間にエセ霊能力者が居て、魔界のオッサンには家族がいると言う点が違う所ですね。いずれも内容はかなりシュールで地味。格好良さは殆ど影に隠してます。特にワンパンマンは村田版がかなり派手で、カッコ良さを全面に押し出していて、アニメ版もこちらを採用してるので、余計原作の地味さを感じます。アニメ版で言うならモブサイコの方が原作には忠実です。描写として派手になるシーンでも、全体がもともと抑えた色合いになっているので、昔のモノクロアニメを観ている様な感じです。
ONE先生の作品は絵が汚いので慣れないと見辛いですが、慣れてくると何とも味のあると思えて来ます。
村田版ワンパンマンを読んでいてその違いを感じたのですが、村田版は絵的にも内容的にもキッチリ描かれてるので、マンガや小説等を普段余り読まない人は、村田版の方が絶対読み易いと思うのですが、原作の方は深く突っ込んだ描写や説明が多くないので、深読みするのが好きな人や、想像力を掻き立てられる方がいい人は、原作の方が楽しいと思います。シェイクスピア作品みたい。もしくは三谷幸喜さんの書いた脚本みたい。
脚本って台詞はキッチリ書かれていても、動きは必要な事しか書いてないですもんね。
この独特の世界観で描かれた漫画は、アニメになるとまた更に違った世界観が出ます。
役者さんが入る事によって淡々とした中にも感情が加わり、シュールな中にちょっとホットな感じが足されて、人間味が溢れて来るって言うか…。
キャラ設定は「斉木楠雄のΨ難」の楠雄と同じで、主人公・モブが普通でありたい超能力者ですが、「斉木楠雄のΨ難」の方がギャグ要素が高いので、似た様なキャラ設定でも似た様な作品と思って読む事はないと思います。まぁ「モブサイコ」ってタイトル時点で、主人公がモブなのかサイコなのか判らんギャグっぽいタイトルだけどな。内容はギャグって言うよりシュール。
久々にシェイクスピアの名前を出しましたけど、今回の記事を書いていて、私の趣向にシェイクスピアは結構影響されていたと気付きました。
小学生の国語の教科書に出て来た「リヤ王」を読んでから、暫くシェイクスピアの作品にハマり、それが影響として残ってたんだなぁと実に今更。
台詞と必要な動きや動作のみ書かれ、後は役者や演出家に委ねるような作品が一般的に「戯曲」とされます。それがただの読み物となると、どう演じるかはどう読むかになり、読み方は読み手に委ねられると言う事になります。そんな作品は自分も作品の一部になれる様で、読んでいてとても面白く魅力的です。
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