懐古作品「アリエスの乙女たち」

2023年1月25日

昔読んだ懐かしいマンガです。
1973年「週間少女フレンド」に掲載された里中満智子さんの作品です。
1987年に南野陽子さん主演でテレビドラマ化されました。観てないけど。

何がきっかけで読んだのかはさっぱり覚えてませんが、雑誌からではなく最初から単行本で読んだと思います。
概要は長くなるので手抜きで…。

名門の私立の高校へ転校してきた水穂路実。そこで同じおひつじ座生まれの久保笑美子と出逢う。対照的な性格の2人。やがて、路実は問題児の結城司、笑美子は優等生の磯崎高志と恋に堕ちるが、過酷な運命に翻弄されていく。真実の愛を求め、彷徨うそれぞれの愛の行方を描いた物語。

https://ja.wikipedia.org/wiki/アリエスの乙女たち#テレビドラマ

テレビドラマのほーは内容に変更が加えられてるっぽいですけど、観てないので全く解りません。なのでここではあくまでマンガの話をします。

子供が読むにはかなりドロドロの恋愛劇なんですけど、それでも理解していた自分が怖いです。唯一今気がついた事は、笑美子の父親が路実の母親と結婚していたと言う点です。笑美子の母親は路実の母親の存在を、疑ってはいても知らないんです。再婚だったら判ってるんじゃね?って言う点ですが、私が覚えてないだけで読み返したら説明があるのかもしれません。

ちなみにドロドロ具合はこんな感じ。

  • 笑美子:最初は路実→のちに高志に押しかけ女房する
  • 路実:司オンリー
  • 高志:笑美子と路実→笑美子と同棲後はプレッシャーから遊びまくる
  • 司:路実→セフレの敬子に子供が出来て結婚し離婚→路実
  • 笑美子の父:路実の母と結婚・離婚→笑美子の母と再婚→路実の存在を知って世話を焼く(笑美子の母、嫉妬メラメラ)
  • 路実の母:笑美子の父→ フランス人男性と不倫・略奪愛叶わず自殺
  • 司の姉:高志の父と不倫して別れた
  • 高志の父:高志の母と結婚→司の姉と不倫→別の女と心中
  • 敬子:司のセフレ→既成事実で結婚するが失敗

まともなのは路実だけです。後は皆やる事がぶっ飛んでます。親兄弟以外の主要な登場人物は17歳前後の話ですから、昼ドラ並みのドロドロを高校生がやっちゃってる感じです。しかも「少女フレンド」は読む年齢層も低かったと思うんですけどね。今ならジャンプを大人でも読みますけど、当時は大人でマンガを読む人は少数派でしたから、せいぜい中学生位までだったと思うんですけど、中学生でやっとって感じですよね。
最後は綺麗にまとまってたのが凄いです。笑美子に子供が出来た事で一気に事が収まった感じです。この頃やっと18になったかどうかって所だと思うので、子供ながら若過ぎって言うのが当時の衝撃でしたけどね。

この作品で馬を持つ事に憧れました。生まれて初めてのおねだりが馬って言うのも凄いなと思いましたが、路実が競技中に馬の異変に気付き、止めようとするのに馬は止めず、結局無理が祟って死んでしまうのですが、死の間際に輝きを見せた姿に笑美子が「死ぬ間際だから美しかったの?」と言うと「違うわ。生き抜いたから美しかったのよ」と言うセリフが一番印象に残っていて、私的に最も使いたい類の言葉です。このマンガを読んでからもう何人かを見送っていますが、生き抜いた人の姿は鮮烈です。そう言う人の話を人にする時「生き抜いた」と言いたいなと思っています。私は多分「あー疲れた」って感じで逝くと思いますけどね。動物は自ら死にたいなんて思わないので、どの動物でも最後までしっかりと生きているって感じます。物語の根幹になるエピソードではなかったですけど、それぞれの生き方や心模様が描かれた内容だったので、シンプルに「生き抜く」と言う事を馬を通して伝えていたのかなと思います。
でも動物好きな私としては馬って可愛いなぁ、私もこんな仲間が欲しいなぁと思いました。勿論馬を持てる環境は今に至っても皆無ですから、せっせとゲームで育てる位が精一杯ですが、今でも漆黒の馬が好きなのはこのマンガの影響です。尤も今馬を持てたとしても、人間年齢が同い年位の馬じゃないと、自分の方が先に逝きそうですけどね。

余談ですが、里中満智子先生は野球マンガで有名な水島新司先生と懇意にしていて、「あぶさん」に里中先生とのコラボがありました。タッチが違い過ぎて違和感強かったですけどね。一部の女性キャラだけ(多分)が里中先生の絵だったので、どうやって描いたんだよって思いました。今ならデジタルで簡単にデータを送り合えますけど、当時はそれはないですからね。

さて、懐かしいので読んでみたくなりました。
とりあえずブックオフでも行ってみようかと思います。Amazonのリンク貼ってる癖に…。

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