回顧作品「親なるもの 断崖」と戦争

1988年 から1989年、秋田書店刊『ボニータイブ』にて連載されていた曽根富美子先生の作品です。
単行本は一度絶版されましたが、戦後70年記念に電子化されて好評だった事から、紙本も再販されています。


多分何処かで軽く取り上げたんじゃないかと思いつつ、何処だか解らず、重複した内容もあるかと思いますが、そこはばばーのやってる事とスルーして下さい?。

この頃、「芥子の花」を読んでいたので、希少な女性向け雑誌を読んでた時代の作品なんですが、懐かしくて探したら電子書籍で読む事が出来ました。内容は戦争前後の話でかなり重いですし、生々しいです。

ざっくりと内容をまとめると、主人公・梅が姉や仲間と共に遊郭に売られ、姉が早々に客を取らされ自殺した事から女郎になる事を決意し、トップまで昇るものの反政府の青年と恋に落ちた事で転落するも生き抜いて、やがて身請けされて子を産むが…。と梅の生涯を中心に仲間だった子達の生涯、そして梅の子である道生の生涯を描いています。
時代は昭和の初めから半ば頃までで、舞台は北海道・帯広です。

曽根先生がこの作品についてインタビューを受けている記事があったのでご紹介しておきます。

このマンガは日本が大恐慌で貧しかった時代、戦争を幾つも挟んだ中にあった時代に、生きる為に生きた弱者である少女達を生々しく伝えています。ドン底を味わいながらも生き抜いたその力強さは、マンガの世界だからと一笑するのは勿体無いです。出て来るキャラはフィクションでも、背景や史実は実際にあった話で、私はこのマンガで遊郭の実情や生活を知りましたが、事実と相違なく、当時の室蘭の状況を知れば知るほど、このマンガの内容が奥深く思えました。
時代こそ今とは大きく違いますが、女が女として生きる覚悟の様なものを、学べるのでは無いかと思います。

このマンガは既に世界大戦が開始されていた時期から始まっていますが、第一次世界大戦開始から108年、第二次世界大戦の終戦からも77年になると言うのに、相変わらず世界では戦争が始まっています。
日本は戦争に負けた過去をいまだに背負っています。それを良い事に幾つかの国からいまだに責められてるのは遺憾極まりないですが、勝った先に何があるか、負けた先に何があるのかを知っている国だと思います。生じ戦争に勝ったが故に調子に乗って、自国の本来の姿を見失いました。そして最後は実に悲惨でみっともない負け方をしたと思います。
日本はエゴで身勝手なトップのせいで悲惨な負け方をしました。そして今起きている戦争もエゴで身勝手なトップのせいだと私は思っています。自分は安全な場所でのほほんとエゴを通す為の指揮をとって、何も聞かされずに戦地に送られた兵士は、訳わからないまま命を落として行くなんて、こんな無駄な悲しみはありません。
このマンガにお梅の恋人である聡一がお梅に言った言葉に「お前が時代だ。無学を当たり前だと思うな。女郎である事に疑問を持て。女性とは素晴らしいものだ。男には敵わない強さがある。(中略)忘れるな!新しい時代を生み出すのは女性である事を!」とありますが、このマンガで作者が最も言いたい言葉だったのではないでしょうか。
弱い立場のものは一人では歯が立たない相手でも、沢山集まれば力は倍増します。でも最初の一人がいなければ次に続くものはいません。私も戦争反対に声をあげる一人になって、これからの生涯もお梅の様に強い生き方を貫きたいと思います。

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